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ドケルバン腱鞘炎

ドケルバン腱鞘炎(de Quervain)

私たちの手指や手関節を伸展させる腱は手背(手の甲)側にありますが、手関節の中枢側で6つの区画(部屋)で仕切られています。 その第1区画に入っている、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の腱鞘炎をこう呼びます。 手首の親指側に腫れや圧痛があったり、動きに伴ってぐきぐき鳴ったりします。 母指を他の指で包み込み、手関節を小指側に曲げると痛みが強くなり、これで診断できます。母指のCM関節(付け根の関節)の関節症と区別する必要があります。 注意深い診察とエックス線撮影で鑑別できます。  

治療として、まず安静(装具やシーネで固定する場合もあります)と消炎鎮痛剤の内服を行いますが、症状が激しいときや長く続いている場合には、第1区画の腱鞘内に副腎皮質ホルモン(ステロイド)入りの局麻剤を注射します。 これで殆どが治りますが、頑固な場合には手術が行われます。 手術は、ばね指にも書いてありますが、腱鞘切開を行います。勿論、局所麻酔下に手術可能で、症状は大きく改善しますが、治療者側に注意が必要です。手背の一部の知覚を担っている橈骨神経浅枝を傷つけないようにすること、完全に第1区画を切開することです。 神経損傷を起こさないことは当然のことですが、腱鞘切開が完全に出来ているのか十分な確認が必要です。普通は1つの筋肉に対し1本の腱があるわけですが、長母指外転筋腱は2本以上の腱を持つのです。

したがって、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の複数の腱とを間違えてしまい、短母指伸筋腱の腱鞘切開が行われないということが起こります。 この場合には症状は改善しません。病気は単純ですが、手術には注意の要る疾患です。