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先天性垂直距骨

先天性垂直距骨

垂直距骨(先天性垂直距骨、congenital vertical talus, congenital convex pes planus)

先天性垂直距骨は先天性内反足と同様、生まれつきの足の変形をきたす疾患で、足根骨の配列の異常を伴うことも内反足と同じですが、大きな違いは、垂直距骨の場合外反足になることです。また、内反足が凹足になるのに対し、垂直距骨では扁平足になります。

その扁平足の程度がよくみられる外反扁平足と異なり極端で、むしろ足底が凸になっていることが多いのです。(写真参照)そのため『音符のような足』と表現されることもあります。

レントゲン写真1
レントゲン写真2

X線像の特徴は、足の側面像で距骨が足底に対して垂直に近い角度に傾いており、その異常な角度が足を尖足(つま先立ちの足の形)にしても変化がないことです。外反扁平足も立位の足の側面像で距骨が垂直に近い角度になっているので、時に垂直距骨と間違えることがありますが、尖足位でのX線側面像で距骨の角度が正常に戻ることで容易に鑑別することができます。

垂直距骨と診断されたら、大切なことは他の全身的な疾患の有無を精査することです。垂直距骨は関節拘縮症、染色体異常、二分脊椎などに合併することが多いからです。 治療は手術になります。垂直距骨では距骨と舟状骨の関節が脱臼し、距骨が舟状骨の下方にロックされているために手術以外の保存的治療はほとんど効果が期待できないからです。